Yesのライブ参戦レポート

感じた想いをそのままに参戦したライブをレポートしていきます。

Mr.Children

日産スタジアムで行われたMr.Childrenの30周年記念ライブに青春時代の音楽を分かち合った姉と参戦。高校1年当時に大ブレークした名曲Cross Roadの歌詞を手書きでメモ紙に写してお風呂で歌いながら歌詞を覚えたあの日を昨日の事のように思い出す。あれから29年経っての初ミスチルライブ。いつもライブ観戦はライブハウス中心なので、日産スタジアムのような超大会場でロックコンサートを観るのは本当に久しぶりになる。客層も往年のファンであろうおじさんおばさんから家族連れや若いカップルも多く、幅広い世代にとにかく愛されてきた国民的バンドであることをあらためて感じながら大衆に同化して大会場に向かった。

 

ミスチルメンバーを初めて生で目撃して感じたことは、とにかく昔からルックスが変わっていない、細い、若い!そして鳴らされる音は完全にブリティッシュロックサウンド。やっぱり大好きですミスチル!中学生からこれまでほぼ全音源聴き続けてきたのは間違いはなく、その全ての楽曲が完全に身体に染み付いている。何かしらの楽曲が演奏し始めると、その曲がリリースされた時の出来事や記憶が呼び起こされて当時の感情に浸ってしまう、これぞまさにノスタルジアの世界だ。こんな不思議で素晴らしい感覚を体感できるのは音楽以外にないんじゃないかと。本当に音楽は魔法の力を持っている。

演奏に関して、CD音源を忠実に再現した無駄も隙もミスも全くないパーフェクトな演奏。楽器が出しゃばらずに櫻井氏の歌声が歓喜によく届きやすいように絶妙のバランスでサウンドを奏でているある種究極のバンド然を表現しているように思う。50代とは思えないルックスとパフォーマンスで全観客を魅了していた。

ただファンになるきっかけの大名曲クロスロードは結局演ってくれず個人的には若干消化不良気味でしたが、往年の大ヒット曲群が演奏される度に当時の記憶がその都度蘇ってきて感傷に浸り続けたエモ過ぎる大満足の3時間でした。

赤い公園 THE LAST LIVE『THE PARK』live at Nakano Sunplaza hall

赤い公園が解散することが決まった。

昨年5月に新体制でのツアーが発表されて新体制となってからのライブはかなり小さい箱ばかりだったので全くチケットが取れず、、、チケットを取るためにモバイルファンクラブに加入してようやくゲットしたライブチケットではあったのだが、COVID-19の影響で中止。。。そうこうしている内に突然の津野さんの訃報が。。。
とにかくショック過ぎて何も手がつかない状態になり、バンドもどうなってしまうんだろうと思っていたらサポートGに小出裕介氏でCountDownJapanFesへの参加が発表された。結局これも中止になり、その後の活動がどうなるのか心配していた矢先に案の定解散の報が知らされた。同時に解散ライブの日程が発表され、コロナ禍とかは考えずにとりあえずチケットは手に入れることができた。

ライブの日にちが近づくにつれて日々の感染者数増加の報道が途絶えることもなく、意味のない緊急事態宣言下の状況もあり、家庭幼児持ちの身としては参戦しようかどうしようか当日になっても迷いに迷った上で、後悔先に立たずということでリスクも飲み込んだ上で参戦を決めた。開演時間が18:30と早めだった事もあり、午後半休を使って彼女達の地元立川の赤い公園ファンの聖地を訪れる事にした。その聖地とは、立川駅から徒歩10分ほど行ったところにある小さな公園に置かれた赤い公園寄贈の赤いベンチのこと。
昼過ぎに到着すると、既にファンらしき人々が赤いベンチを囲んで談笑していた。そのベンチには、新曲『オレンジ』のジャケットを手がけた作家が昨日Twitterでアップしていた、彼女達4人が解散ライブの会場である中野サンプラザの座席に座って佇んでいるイラストが額に入れられて置かれていた。ベンチに近寄って写真を撮ろうとすると、剛力彩芽似の女史がこう話しかけてきた。
「せっかくなので、津野さんが愛用していたHope(タバコ)も一緒に撮ったらどうですか?」
ヘビースモーカーで知られた津野さん御用達のタバコとのこと。遠慮なく”Hope”も一緒に写真に納めさせてもらった。剛力似の女史と、お互いがライブ参戦予定である事、その女史はメンバー達の地元の立川駅に宿を取っていること、等などいろいろ談笑したり、他の赤い公園ファンの方とも少しだけ触れ合ったりしながらライブ会場である中野サンプラザに向かった。
参戦を決めたのはいいものの、ホールコンサートとはいえ感染のリスクを出来るだけ減らしたい。全席座席指定であること、室内に1000人規模が集まる空間に滞在する時間は1秒でも少なくしたいという思いから開演時間ギリギリで会場にIN。スタッフは全員不織布マスクとフェイスガードを装備し、客席もほぼ100%といっていいほどの入り状況だった。事前に発表されていたサポートメンバーとしては、前記のベボベG小出氏、赤い公園とほぼ同期でプライベートでも仲が良く何より彼女達の大ファンでもあるtricotのGtキダモティフォ氏、彼女達の音源制作に長らく関わってきたKeyのAkahiko氏、このメンバーがどの楽曲でどのように絡んでくるのかも気にしながらメンバーの登場を待つことにした。

冒頭は、メンバー+小出裕介の4人体制で解散ライブの幕が開けた。
石野氏のVocal、加入後の楽曲は特に問題なかったが、加入前の楽曲はどれもしっかり歌いこなせていなかった。特に高域の歌声がとにかく不安定。声質は良いんだけどエモーショナルを感じない。やはり佐藤氏の方がこのバンドには合っている、これはもうどうしようもない感想であった。リズム隊の2人、やっぱりめちゃくちゃ演奏が巧い!キレッキレだ。繊細だけどエモーショナルでテクニカな彼女達の生演奏に改めて感服。ただひとつ気になったのは小出氏のギタープレイ、あきらかに違和感がある。オリジナルのフレーズ通りではなく彼の手癖や余計なアレンジが多々ありとにかく違和感が拭えない。カッティングも固めで我らが超絶リズム隊となんだか合っていない。赤い公園の音源の各楽器フレーズを全て覚えるくらい聴き倒してきた大ファンの身としては、所々に余計なアレンジが施されカッティングのリズムの取り方が微妙に違っていたり、こう弾いて欲しいというフレーズがことごとく変えられていたりなど、とにかく違和感だらけのギタープレイが気になって仕方がなかった。
逆に良かったのはキダモティフオ氏のプレイ。良い意味で津野さんのプレーを完コピ、というより津野さんが乗り移ったかのようなこちらが期待しているイメージ通りのフレーズを終始再現してくれていた。キダさん参加の楽曲はどの曲も邪念を感じず純粋に楽しめた。それまで自分の中で特段評価していなかったギタリストとしての津野さんのプレイについて、実は物凄くオルタナティブで絶妙なフレージングを奏でる素晴らしいギタリストだったんだと、津野さんのいない赤い公園の演奏を聴いて皮肉にも気付かされる事になった。やっぱり津野さん含めたこの4人での生演奏が聴きたかったよ。
セットリストについては、一番聴きたかった”絶対零度”をキダさんギターで聴けたのは良かった。そしてやっぱりというか、個人的に大好きな楽曲群である”木”、”プラチナ”、”世紀末”は演奏してくれなかった。曲数を増やすためだろう中盤のメドレー形式や、ライブ通してイマイチな煽りや乗せ方などリーダー不在のバンドを感じる部分が多く、進行がスムーズではなかった盛り上がりにかけていた。MCの最中にメンバーがとにかく文言を選んでゆっくり大事に言葉を発していたのは好感が持てたが、船頭を失ってしまったバンドという印象を顕著に感じてしまった。残された彼女達の中で最終的に”解散”という結論に至ってしまったのは必然だったんだろうなあと、自分の中では納得せざるえなかった、悲しい寂しい解散ライブだった。
 
最後にこの場を通して是非お伝えしたい事がります。
赤い公園の皆さん、私の音楽ライフを豊かにしてくれて本当にありがとうございました。安らかに、そして永遠に。

スカート presents ”Town Feeling” live at 新代田FEVER

スカート主催のライブイベントに柴田聡子が出演するというので急遽参戦。場所は下北沢のライブハウス新代田fever。

 

・どついたるねん

柴田聡子とは一緒に音源リリースもしたことがあるという盟友的バンドとのことだったが、ボケなのか何なのかまったくよく訳のわからない言動行動で大声を張り上げながら登場してきた意味不明なノリで一気に引いてしまった。基本メンバー構成はツインボーカルなんだけれども、楽器メンバーもVoを取るスタイルなのはそれはそれで悪くないが、兎にも角にも全員とにかく歌が下手というレベルでは語れない程のド下手ド音痴な上に、不細工でデブだらけの見た目もBADなさらに上に、ただがなり上げて吠えるだけの素人以下の音楽とは到底言えないスタイルで、もう全てにおいて理解不能な感じ。寒すぎる内輪ネタだらけのギャグ連発で凍え死にそうになり、途中から友人だというこれまた寒すぎる一発屋芸人”ですよ。”本人が登場してきて平成一つまらない例のギャグを令和元年にやるという暴挙も含めて何から何まで寒すぎて凍死確定なレベルの酷過ぎる学芸会だった。自分がこれまで観てきたライブの中でこんな偏差値が低いバンド演奏は初めてだった。とにかくただただ苦痛だらけの40分間、人生で最も無駄な40分間だった。

 

・柴田聡子

2019年は柴田聡子というアーチストにどはまりした一年だった。【後悔】と【結婚しました】の2曲は本当に良く聴いた。弾き語り時代は全く興味がなかったのだが、直近2作目辺りから柴田聡子with fire名義のバンド編成に活動をシフトして、山本誠一やくるり岸田氏のプロデュースのアルバム制作を経てから、妙に独特で心地よい彼女独自のGroove感が妙に癖になっていて、気づいたらドはまりしていた。そんな個人的大注目のミュージシャンのライブを前列2列目ど真ん中という絶好の位置でライブを堪能できるとはこんなに嬉しいことはない。おごそかに登場してきて照れながら演奏を開始する。妙な柄のセーターも含めて人懐っこい愛嬌のあるキャラクター前面に出た佇まいがいい。いるだけで回りをほんわかとさせる柔らかい雰囲気と、内に秘めたる熱量を不器用な感じで音楽にぶつけている独特なエネルギーが彼女が作り出す独特な作風(譜割りや歌い回し)もあわせて妙なグルーブ感を産んでいるのだろうか、とにかくそれが癖になる。冒頭に記載した2曲もしっかり聴けたし、音源ではライトな打ち込みサウンドなのに、ライブではアドリブ満載のまるでマイルスデイビスと一緒にプレイしているかのようなめちゃくちゃな展開で全く別物のアレンジになっている【ワンコロメーター】にはライブの醍醐味である高揚感を感じさせられた。非常に魅力的なミュージシャンのひとりであるとライブを見てあらためて感じさせられた。

 

どついたるねんでの極度の疲労と、お目当てのミュージシャンで燃え尽きてしまったので、スカートは結局観ずに退場。

Layne presents「ON THE RUN vol.4」live at Shimokitazawa Garage

LayneとSongbardsの2マン。この極めて近い音楽性を持った最も個人的期待値が高くて熱い両バンドの対バンライブとあって、情報入手後に即チケット購入。下北沢ガレージ、何気に初めて訪れるライブハウスな気がする。

 

・Songbards

【The La's】の”There she goes”をバックにステージに登場してきた神戸からやってきた現代の【ビートルズ】と評されている4人組ロックバンド。去年発売されたミニアルバムの中の一曲”Inner lights”を去年死ぬほど聴きまくったので、彼らのライブを目撃できる日をずっと前から非常に楽しみにしていた。4人とも高身長でドラム以外はマッシュルームヘアーという彼らの音楽性とマッチしたファッション性も◎。ベースはFred perryのポロシャツを着用、もう自分の好みとドンピシャで一緒ではないか。仲の良さを感じさせる妙に息の合ったバンドサウンド、特にドラムの安定感が突出しており、それがとても心地良い。まるでリンゴスターがジョンボーナムに変わった【ビートルズ】の様だ。ただひとつ残念だったのが、お目当ての楽曲【Inner lights】の前曲で、リードギターチョーキングし過ぎたためにチューニングが狂ったままで大好きな楽曲を若干ズレた不協和音で聴く羽目になってしまったこと。それから終演までずっとチューニングが狂ったまま演奏を続けられてしまった事。またさらに追い打ちをかけるようにVo/Guitarの弦が演奏中に切れてしまい、急遽【Layne】のVoのFender Jaguarを借りて演奏する事になるなど若干トラブル続きで場馴れしていない明らかな経験不足を感じてしまったのも事実。次回は万全の状態での彼らの演奏が聴けることを期待したい。

 

・Layne

本日の2マンを企画したバンドの登場。彼らを知ったきっかけは、フジテレビの音楽番組”Music lovers”の若手注目株のバンド特集での放送回だった。そのキラキラしたギターとModsスピリッツ丸出しの親しみやすいUKロックサウンドに瞬く間にKOされてしまった自分は、すぐさまアルバムを購入し、よくよく聞いてみると我が敬愛するThe Collectorsの影響が非常に強いバンドである事が分かり(ザコレのGt:古市コータロー氏のソロ作にVo:萩野氏が一曲提供している)、彼らの楽曲を気に入らないはずがなかったという。という事で今日までずっと彼らの音源を聴きまくりながら満を持してのライブ初参戦である。まず、萩野氏の身長がでかい。そしてカリスマ性が半端ない。生温いMCも全く許せてしまうほどのミュージシャンとしてオーラがある。こんな小さい箱で収まっていいような器ではない。勿体ない。キラーソングの2曲もさることながら、”Boys be ambitious” とサビで高らかに歌う疾走感が魅力的な新曲に完全にKO。是非一日も早くリリースして欲しい。

 

あらためていう必要がないくらいに大満足の俺得2マンライブだった。

「MUSiC」フェス ~私立恵比寿中学開校10周年記念 live at 赤レンガ倉庫

地元横浜で開催されるエビ中主催のロックフェス。会場は横浜赤レンガ倉庫の屋外特別会場。アイドル主催のフェスだからどうせ出演するのはアイドルばかりなんじゃないの?と思いがちだが、出演アーティストはこれまでライブ見てみたかったバンド、ミュージシャンばかりで、姉貴分的存在としてももクロの出演が決定した時点で参戦を友人Oと決定。場所も赤レンガという自宅から比較的近いというのと、入場してからの入退場は自由というフレキシブルな条件もあり、息子のフェスデビューの場としても最適ではないかと思い、家族での参戦に踏み切った。幼児の初参戦なので、朝から晩までの長時間は無理だろうと判断し、また朝から大雨に見舞われた事もあり、午後のポリシックスからの参戦にした。

 

POLYSICS

トリオ体制は見た事があるが、現4人体制になってから初めてとなる。残念だったのが知っている楽曲が数曲しかなかった事。正直彼らにとってはアウェイな状況だったので、もっと代表曲のオンパレード的な選曲にすべきだったのではと感じた消化不良気味のライブだった。

 

ももいろクローバーZ

数年前の氣志團万博以来になる。基本天候に恵まれる彼女たちなので、今日の悪天候も吹き飛ばしてくれるだろうと思っていたら、予想通りももクロ出番前に雨上がる。もう神懸かっているとしかいいようがない。開始前にリハが行われ、しおりん以外のメンバーのマイクチェックが行われたが、夏菜子の歌唱があきらかに向上していてマイクチェックのボイスだけで鳥肌が立つほど。継続は力なりだなあ。先月5th albumをリリースしたばかりなので、そこからのリード曲からライブはスタート。やはり歌番組などで歌う機会が滅法減ってしまったせいか、モノノフ以外の観客達のノリは冷ややか。個人的にもinvisible manners曲はメロディが弱いと感じているのでフェス向きではないな。こういう時のMC力というか、観客を盛り上げ惹きつける彼女たちのトークスキルは流石の一言。会場をベシャリだけで軽く温めた後にここからフェス用のノリの良い代表曲のオンパレードで会場全体のボルテージはMAX。最後の労働賛歌で頂点に。少し残念だったのが、1万人収容規模の会場に対してメインスピーカーが小さすぎた事。また終始吹き荒れる強風の為に、低音が流されてしまい、後方のエリアにはしっかりしたサウンドが鳴り響かなかった。最も割りを食ったのはゲスだったろう。

 

岡崎体育

初体育ライブ。wowowなどでその良く練られた面白おかしいライブパフォーマンスは知っていたけど、彼のことを知らない人も全員盛り上げられる構成力というかパフォーマンスは素晴らしい。自虐ネタも盛り込むつつタイプの違う楽曲をいろいろなネタを仕込んで楽しませてくれる、MACを駆使しながら新時代のエンターテイメントの新しいフォーマットを構築している気がする。

 

ゲスの極み乙女

こちらも初ゲス。あの騒動以前も以後も密かにずっと彼らの音源は追い続けている身としては待ちに待ったライブ参戦だ。まず感じたのは、華のあるバンドだな、そして個々の音楽的スキルはセンスが非常に高いなということ。圧倒的美人のほないこかと小柄で普通に可愛いちゃんまりのルックスもプレイも素晴らしい女性陣、屋台骨を支える確かな演奏力と良い意味で癖のある見た目がインパクト大な休日課長、そしてなんだかんだいっても川谷絵音のカリスマ性と才能は疑う余地が無い。本当に物凄いメンバーが揃いも揃ったバンドだとこの日のライブを観て再認識した。

 

フジファブリック

フジフジフジQ以来になる。あれからトリオバンドとして何枚も作品をリリースしてライブも経験して、もうあの頃の即席感のあるボーカリストではない彼らを見ることができた。素直に主催者の女の子達にリスペクトを込めた真面目すぎるステキなMCから彼らの人柄の良さを感じつつ、着実にトリオバンドとして歩み始めている彼らを目の当たりにして少しだけ目頭が熱くなった。

 

私立恵比寿中学

幼児を連れての長時間ライブ観戦は非常に難しい状態になったので、申し訳ないが数曲で退散。初エビ中を目撃した所感として、宇宙交響曲〜のヲタク度が強かった一番熱い頃の元モノノフ達が、完全にエビ中ファミリーに流れたような印象を感じた。

BAND-MAID presents「冥土乃日」live at Tsutaya O-EAST

このバンドを知ったきっかけは、WOWWOWで放送していた”rockin japan fes”でのライブ映像だった。そこで目にしたのはメイド服に身を包んだ可愛い娘達がごりごりで本格的なベビーメタルを奏でている姿だった。

彼女達の代表曲である大名曲【Domination】がピックアップされていたのも自分がハマるキッカケとしてはちょうど良かった。

印象的なリフのイントロから、ドラマティックに展開していくBメロ、唐突に差し込まれるテクニカルなギターソロにコール&レスポンスに適した印象的なサビ、そして何度聞いても飽きさせない一筋縄ではいかない複雑な曲構成と、頗る可愛らしいメンバー全員のルックスもあいまって、この一曲だけでもう大ハマりしてしまった。

それからというもの、彼女達の音源を全て入手し、ライブDVDから音源だけを吸い出して毎日の通勤時間に彼女達の楽曲だけをひたすらヘビロテするようになった。音楽好きの友人達にも啓蒙活動を始めては数人は無事洗脳完了し、ライブチケットを入手しようと思い立った時にはちょうど”Dominationツアー”が終了のタイミングだった。何てついていないんだ。。。

それから待ちに待つこと数ヶ月が過ぎ去り、これまた洗脳した会社の後輩が今回のライブチケットを当選させたことで(自分は何故か落選涙)、満を持してのバンドメイドのライブ初参戦となった。

会場はTSUTAYA on air east. 昨年末に観た【Lili Limit】の解散ライブもちょうどここだったなあ。当然本日の公演はSOLDOUT。

開演30分前に会場に到着したらほぼ満員状態、そして予想通りの年齢層高めという展開。黒Tを着たメタラーのおっさん達しかもう自分の視界には入ってこない。。。KanamiのギタープレイとSaikiに煽られたいが為にステージ右横に移動して待機する事に。

早速メンバーが登場してきた。さあどの楽曲から演奏してくれるんだろうか?

、、、ん?あれ?その前になんか音が変じゃないか?ギターは高音キンキンシャリシャリして完全に音が破綻してるし、ドラムもバスドラがパスパスだし、ボーカルは抜けがとにかく悪くベールがかかっていて変なエフェクトがかかった状態で正直何を歌っているのか聞き取れない始末。とにかく低音と高音のバランスが著しく悪すぎて、はっきり言ってなんだかトランジスタラジオみたいなチープなサウンドじゃないか。。。一瞬この会場の音響が原因ではないかと思ったが、昨年末の【Lili limit】のライブでは全然問題なかったし、同行した後輩も、以前サマソニで観たときに今回と同じような音環境だったと言っていたので、これは完全にBand Maid側のPAの問題なんだろう。メンバー自体の演奏はハイクオリティで全くミスのない完璧な出来だったし、彼女達の演奏力が相当なレベルである事はわかったのだけれども、その演奏力の20%も伝えられないほどの酷いレベルの音響だったのが心底残念だった。前半で聴けた神曲”Domination”だけは音の悪さも跳ね返すくらいのパワーを持っているのでなんとか盛り上がれたが、それ以外の楽曲はこちらの気分が悪くなるくらいの低音グルグル状態で三半規管がおかしくなってくる程。

さらに個人的にヘビーメタル自体が好みではないので、MCがほとんど無く、ただひたすら重厚でヘビーな楽曲を休みなく10曲連続ぶっ通しで鳴らされるライブ構成自体も正直自分には厳しい状況だった。こんな劣悪な音環境でヘビメタをぶっ通しで聴き続けるのはもう1時間が限界だったので、泣く泣くというか仕方なくライブ中盤で退出してしまった。

スタジオ音源はあんなにしっかりサウンドメイキングされているのに、ライブはやはり別物なんだという事を悪い意味で実感してしまった。演奏もめちゃくちゃ上手いし皆んなルックスも頗る良いのにほんと勿体ない。もうPA担当を今すぐ変えた方がいいと思う。これで世界征服は難しいと感じたのは自分だけではないはずだ。

Lili Limit size L live at Shibuya O-east

Lili limitの解散が突然発表された

 

ポストサカナクションの最有力候補で、今後の日本のロック界を背負って立つポテンシャルを兼ね備えたロックバンドだと密かに期待していたにもかかわらず、突然の解散発表である。いつかはライブを観に行きたいとは思っていたが、関東でのラストライブであるこの日を逃したらもう2度と生で彼らのライブを目撃できなくなる、背水の陣的な状況に突如置かれたのでこれはもうライブチケットを取るしかない。ある意味選択肢の無い中での必然的なライブ参戦となった(BTW本当の解散ライブは地元山口県で行われる予定)。

 

ライブ会場はTSUTAYA on air EAST。ここに来るのは初めてかもしれない。18時に会社を出て会場に到着した頃にちょうど自分の整理番号が呼ばれていた。なんとタイミングが良いことか!今日はなんだか良いライブが観れる予感がする。
入場して年齢的にサイドのポジションに陣取り身体を休めながらライブを楽しむ年齢になってきてしまっているので、当然のように左前方フェンス横に陣取る。しかし開演間近になっても自分の周りにはまだ十分なスペースがある。都内最後のライブなのにチケットが捌ききれなかったか?と少し心配にはなったが、それなりに埋まってきているようだ。そしてメンバーが登場してきた。

 

・Lili Limit
前半から代表曲を立て続けに披露。いやあやっぱり楽曲が良い。もうアンセムだらけだ。耳にしたら直ぐに覚えられるほどのキャッチーなメロディー、キラキラしてるけれどオルタネイティブファン/インディーロックファンにも受け入れられつつエレクトロニカの要素も取り込み、またそれを独自のポップソングとして上手に消化している見事なアレンジ力、無駄のないタイトでエネルギッシュなサウンドメイキング、これらを見せ付けられて目前の彼らがもうすぐ本当に解散してしまうバンドなのか?と一瞬疑ってしまう程の可能性をまだまだ感じさせてくれていたのが前半途中まで、、、
後半の前にとにかく女史2名について語らせてほしい。ルックスがイマサンな男性陣を視覚的にカバーしてる女史メンバー達のアイコニックな存在感はやはり見逃せない。というよりも、彼女たちの存在がこのバンドの大きな魅力のひとつだと個人的には思っている。二人それぞれが正反対な印象なんだけれども、しっかりとバンドサウンドの屋台骨を支えているのは間違いなく彼女達であるのだ。美形なのにリズミカルなフレージングをさらっと弾きこなすその出で立ちがとにかく様になっている男前なBass黒瀬女史(こう感じるのは個人的にベーシストの女史に滅法弱いというのも関係があるのかもしれないが。たまたま陣取った場所がベースの真ん前というのも個人的にナイスポジションだった)。その一方で、アイドル並みにキュートなルックスがまず目に止まるが、まるで打ち込みかのような正確無比なリズムでぴょんぴょんと跳ねながらとにかく楽しそうに演奏する様が観ているだけで多幸感を感じさせてくれ、またバンド内でもっとも安定感と安心感を感じさせてくれるKey清水女史。この素敵な女史2名の存在感がこのバンドの魅力をグンと引き上げているのは彼らのパフォーマンスをみていてまず気づいた点である。
そしてさあ後半戦。よりディープでダークな打ち込みをメインとした無機質なサウンドの楽曲で畳み掛ける。ただこの後半戦で儚くも冒頭のサカナクションとの致命的な差を感じてしまうことになった。エレクトロな楽曲がとにかく良くない、乗れない踊れない歌えないのだ。更に、ボーカル牧野氏のMCがとにかく面白くない。客の煽りも常にナルシスチック一辺倒で、ウィットに富んだ気の利いたコメントもまったく無い。話が上手くないのならベシャリが上手な別のメンバーにMCを託せば良いのものを、Voが作ったバンドだからか、もうウンザリするくらい気取った言葉の羅列にこちらの気持ちを萎えさせてくれるのには十分過ぎるくらいだった。

ライブを観に来てくれている観客を楽しませるには、ただ単に楽曲を演奏すれば良いだけという考えはもう通用しない、MCが面白くなければもうリスナーはついてこないと、我が敬愛するThe Collectorsの加藤/古市両名が常日頃からPodcastを通して世間に教えてくれているが、やはりというか残念ながらその非常に大事なポイントに気付けないようなバンドはやはりある程度のキャパを超えられないのは致し方無いのかなということをまざまざと感じてしまった。更に、こんなにもキラーソングを数多く産み出してきたにも関わらず、まったく盛り上がりに欠ける流れの悪い独り善がりなセットリストも致命的に残念だった。

本編のラストに知名度的にもイマイチな楽曲を持ってきて観客に合唱を求めるも、自分含めてほとんどの人達が歌えきれず、微妙な雰囲気の中で突然これが最後の曲だと言い始める。正直こちらは「ぽかーん」ですよ。分かってはいるけれども、アンコールありきのその流れがあからさま過ぎたのも、個人的にはかなりNG。アンコールの最後に名曲【Festa】を演ってくれたからまだ成り立ったのかもしれないが、1回目のアンコールでは結局まともなMCも無いまま演目を終わらせてバックヤードに下がってしまったもんだから、そりゃ観客は再アンコールを要求するでしょうよ。このなんだかやらされてる感のある流れも正直グダグタでこっちが恥ずかしく感じてしまうほどの雰囲気だった。そんな状態で再々登場して2回目のアンコールが始まり、そこでようやくメンバー達が話しらしい話をし始めた。

まずこのライブで観客の誰もが期待していたことがある。先日突如HP上で衝撃の解散宣言が発表され、ボーカル牧野氏のコメントとして解散理由を語るためにはもう少し時間がくださいという内容がTwitter上でも書かれていた。そしてその理由が語られる時場所は、東京最後のこのライブ会場であるだろうと自分含めたほとんどの観客が間違いなくそう思っていた。雑談のようなどうでもいい会話が繰り広げられている時、しびれを切らしたある観客の1人が突然こう叫んだ。

 

「解散理由は?」

一瞬黙り込むメンバー。少し間を置いて牧野氏がその事についてついに話し始める。そしてその結果がこうだった。

 

「解散ライブで解散理由を話す事自体、なんだか非常にカッコ悪い事だと思うんです。だからここでは話しません」。

 

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!である。

これが吉本新喜劇だったら観客とメンバー全員が間違いなくズッコケるような展開だ。結局言わないんかい!!!

 

物凄く後味が悪い状態で最後の楽曲に選んだのが、ほとんどライブでも演ったことがないという初期のレア曲であった。

最後に彼らの代表曲を皆で大合唱して終わりたかったというこちらの願いを無視するかのような独りよがりのセットリストにもう心底失望した。ただこの不器用さ/独り善がり感がファン層を増やせなかった最も大きな原因だったんだろうと妙に納得できたのも今日観に来て良かったと思った。


とにかく彼らが残した楽曲群が本当に本当に素晴らしかっただけに、客観的に俯瞰的にバンドの事を見ることが出来る人間が近くにいれば、今よりもう何倍も飛躍できたバンドだっただけに、ここで終わってしまうのはただただ残念で他ならない。

ロックバンドはやはり儚いですね。