Yesのライブ参戦レポート

感じた想いをそのままに参戦したライブをレポートしていきます。

赤い公園 THE LAST LIVE『THE PARK』live at Nakano Sunplaza hall

赤い公園が解散することが決まった。

昨年5月に新体制でのツアーが発表されて新体制となってからのライブはかなり小さい箱ばかりだったので全くチケットが取れず、、、チケットを取るためにモバイルファンクラブに加入してようやくゲットしたライブチケットではあったのだが、COVID-19の影響で中止。。。そうこうしている内に突然の津野さんの訃報が。。。
とにかくショック過ぎて何も手がつかない状態になり、バンドもどうなってしまうんだろうと思っていたらサポートGに小出裕介氏でCountDownJapanFesへの参加が発表された。結局これも中止になり、その後の活動がどうなるのか心配していた矢先に案の定解散の報が知らされた。同時に解散ライブの日程が発表され、コロナ禍とかは考えずにとりあえずチケットは手に入れることができた。

ライブの日にちが近づくにつれて日々の感染者数増加の報道が途絶えることもなく、意味のない緊急事態宣言下の状況もあり、家庭幼児持ちの身としては参戦しようかどうしようか当日になっても迷いに迷った上で、後悔先に立たずということでリスクも飲み込んだ上で参戦を決めた。開演時間が18:30と早めだった事もあり、午後半休を使って彼女達の地元立川の赤い公園ファンの聖地を訪れる事にした。その聖地とは、立川駅から徒歩10分ほど行ったところにある小さな公園に置かれた赤い公園寄贈の赤いベンチのこと。
昼過ぎに到着すると、既にファンらしき人々が赤いベンチを囲んで談笑していた。そのベンチには、新曲『オレンジ』のジャケットを手がけた作家が昨日Twitterでアップしていた、彼女達4人が解散ライブの会場である中野サンプラザの座席に座って佇んでいるイラストが額に入れられて置かれていた。ベンチに近寄って写真を撮ろうとすると、剛力彩芽似の女史がこう話しかけてきた。
「せっかくなので、津野さんが愛用していたHope(タバコ)も一緒に撮ったらどうですか?」
ヘビースモーカーで知られた津野さん御用達のタバコとのこと。遠慮なく”Hope”も一緒に写真に納めさせてもらった。剛力似の女史と、お互いがライブ参戦予定である事、その女史はメンバー達の地元の立川駅に宿を取っていること、等などいろいろ談笑したり、他の赤い公園ファンの方とも少しだけ触れ合ったりしながらライブ会場である中野サンプラザに向かった。
参戦を決めたのはいいものの、ホールコンサートとはいえ感染のリスクを出来るだけ減らしたい。全席座席指定であること、室内に1000人規模が集まる空間に滞在する時間は1秒でも少なくしたいという思いから開演時間ギリギリで会場にIN。スタッフは全員不織布マスクとフェイスガードを装備し、客席もほぼ100%といっていいほどの入り状況だった。事前に発表されていたサポートメンバーとしては、前記のベボベG小出氏、赤い公園とほぼ同期でプライベートでも仲が良く何より彼女達の大ファンでもあるtricotのGtキダモティフォ氏、彼女達の音源制作に長らく関わってきたKeyのAkahiko氏、このメンバーがどの楽曲でどのように絡んでくるのかも気にしながらメンバーの登場を待つことにした。

冒頭は、メンバー+小出裕介の4人体制で解散ライブの幕が開けた。
石野氏のVocal、加入後の楽曲は特に問題なかったが、加入前の楽曲はどれもしっかり歌いこなせていなかった。特に高域の歌声がとにかく不安定。声質は良いんだけどエモーショナルを感じない。やはり佐藤氏の方がこのバンドには合っている、これはもうどうしようもない感想であった。リズム隊の2人、やっぱりめちゃくちゃ演奏が巧い!キレッキレだ。繊細だけどエモーショナルでテクニカな彼女達の生演奏に改めて感服。ただひとつ気になったのは小出氏のギタープレイ、あきらかに違和感がある。オリジナルのフレーズ通りではなく彼の手癖や余計なアレンジが多々ありとにかく違和感が拭えない。カッティングも固めで我らが超絶リズム隊となんだか合っていない。赤い公園の音源の各楽器フレーズを全て覚えるくらい聴き倒してきた大ファンの身としては、所々に余計なアレンジが施されカッティングのリズムの取り方が微妙に違っていたり、こう弾いて欲しいというフレーズがことごとく変えられていたりなど、とにかく違和感だらけのギタープレイが気になって仕方がなかった。
逆に良かったのはキダモティフオ氏のプレイ。良い意味で津野さんのプレーを完コピ、というより津野さんが乗り移ったかのようなこちらが期待しているイメージ通りのフレーズを終始再現してくれていた。キダさん参加の楽曲はどの曲も邪念を感じず純粋に楽しめた。それまで自分の中で特段評価していなかったギタリストとしての津野さんのプレイについて、実は物凄くオルタナティブで絶妙なフレージングを奏でる素晴らしいギタリストだったんだと、津野さんのいない赤い公園の演奏を聴いて皮肉にも気付かされる事になった。やっぱり津野さん含めたこの4人での生演奏が聴きたかったよ。
セットリストについては、一番聴きたかった”絶対零度”をキダさんギターで聴けたのは良かった。そしてやっぱりというか、個人的に大好きな楽曲群である”木”、”プラチナ”、”世紀末”は演奏してくれなかった。曲数を増やすためだろう中盤のメドレー形式や、ライブ通してイマイチな煽りや乗せ方などリーダー不在のバンドを感じる部分が多く、進行がスムーズではなかった盛り上がりにかけていた。MCの最中にメンバーがとにかく文言を選んでゆっくり大事に言葉を発していたのは好感が持てたが、船頭を失ってしまったバンドという印象を顕著に感じてしまった。残された彼女達の中で最終的に”解散”という結論に至ってしまったのは必然だったんだろうなあと、自分の中では納得せざるえなかった、悲しい寂しい解散ライブだった。
 
最後にこの場を通して是非お伝えしたい事がります。
赤い公園の皆さん、私の音楽ライフを豊かにしてくれて本当にありがとうございました。安らかに、そして永遠に。