Yesのライブ参戦レポート

感じた想いをそのままに参戦したライブをレポートしていきます。

ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY vol.7 at Shimokitazawa 440

今はインディーに戻ってしまっていますがもはや説明不要のギターポップ界の10年選手2組によるジョイントライブ。この2バンドのライブが同時に、それも時間たっぷりと観れるなんてかなりお徳なライブではないのだろうか。会場は下北沢の440。カフェバーのような所で今時珍しい座席着席型のオールシッティング形式のほんわか温かいライブになりそうな予感。(椅子の数以上のお客さん達は立ち見)。30分押しで開演。

 

advantage Lucy
最初はアイコのキュートなボーカルが魅力のネオアコギターポップバンドのルーシーから。今はボーカルとギターの2人だけになってしまっているみたいで、まずは2人だけのアンプラグド形式でスタート。柔らかく包み込んでくれるような澄んだボーカルとアコギの絡み合いがなんとも絶妙。そしてなんと2曲目は誰もが予想していなかったゲド戦記のカバーをいきなり披露。このカバーの経緯はというと、なんでもアイコがこの曲にちょうどはまっているらしく、ギター石坂氏にカバー話を持ちかけたところ、その時は微妙な返事。どうしてもこのカバーでライブをしたかったアイコは、じゃあ少年隊の「君だけに」とどっちがいい?というなんだかよく分からない選択肢を掲示した結果、すんなりこの曲のカバーをする事に決まったらしい。なんだろう。まあそれは置いておいて声質が手島葵に似ているせいか本物と同様の雰囲気を醸しだしていたのがとても印象的だった。名カバーだった。お客の心を柔らかくさせてたところで3曲目からはバンド形式での演奏へ。サポートのギターがどっかで見たことある顔してるなあと思ってたら、どうやらプレクトラムのメンバーのようでした。まだやっていたんですねプレクトラム。懐かしい~。デビュー当事よりも随分横に大きくなった気がしますが。。。さあ肝心の演奏ですが、彼らのCDを聴いているだけではあまり気が付く事の少なかった凝ったアレンジが随分と見受けられて、なんというか同じフレーズを極力さけるなど、ただ単にネオアコバンドと言いきるには失礼に値する程のメリハリの利いた見事な演奏に感激。ほんとうに単調な楽曲などひとつもありませんでした。特にギター石坂氏が鳴らしていたセンスのいいギターカッティングや流麗なアルペジオの音が非常に心地よく、書く曲もそうだけれどもう嫉妬するくらいカッティングセンスがよかった。ああいう歯切れのいい+滑らかなカッティングは本当に身体にいい音のような気がします。そういえば、ライブ途中にふと「今日はレッドバイシクルをやってくれないのかな~」なんて思っていたら、次の瞬間、いきなりレッドバイシクルを演奏しはじめた時は正直驚きました。僕の想いがメンバーに以心電信した?なんていう錯覚に陥りましたが、まさかね。

 

SWINGING POPSICLE
大好きなこのバンドのライブをを観るのは今日で2度目。前回見た時よりも演奏時間が長く、またセットリストも未発表新曲や懐かしの楽曲なども複数演ってくれて大満足。いつ聞いても藤島嬢の歌は本当に巧いです。七色の歌声。また3人の息の合ったコーラスも意外とノイジーな演奏もチームワークばっちり。ただ、ディストーションにした時のギター音量が多少大きすぎて、せっかくの美声ボーカルが聞こえにくくなってしまうのがちょっといただけなかった。新曲も数曲演奏してくれたけれど、もう随分から制作中という新譜を心待ちしているんですがリリースはいつになるんでしょうか。

 

ミネミネ
両バンドのボーカルの名前にそれぞれ『ミネ』が付いている事から名付けられたユニット、その実は両バンドメンバーが勢揃いした時にだけ結成されるセッション名の事。広いとはいえないステージに両名バンドのメンバー7人が勢揃い。窮屈そうにしている。この編成でギターポップ史上に残る大名曲「There she gose」のカバー1曲だけを披露してくれました。リハーサルをする時間がなかったらしく即席カバーだったようで正直一体感というのは感じられなかったのだけれど、両バンドのファンならは間違いなく知っている+聞いた事のある大名曲だったので会場全体が演奏に身を委ねる様に一体化して本日の幕は閉じました。いいライブだった。途中のMCで両バンドが初競演したのが10年前だった事を話していたけれど、デビュー当初に雑誌などで取り上げられていた時の事を思い出し、あらためて月日の流れの早さを感じたのと同時に、両者ともずっと継続して活動を続けているだけの経験値/バンドの力量を肌で感じとれたとてもいいジョイントライブだった。流石&見事のふた言。こういうポップバンドの土壌がもう少し今のメジャーシーンの一角に存在していてもいいのになあ、とこの2組のライブを聞いて少し残念な気持ちになってしまった。心を幸せにしてくれる彼らの音を聞けば、それがとても質の高いポップミュージックなんだという事が誰の耳にも一聴瞭然なのにね。