Yesのライブ参戦レポート

感じた想いをそのままに参戦したライブをレポートしていきます。

GODIEGO LIVE at Tokyo Geijyutsu Gekijyo

実父経由で旧知のTさんからゴダイゴのライブ案内が届いたのは前日の夕方だった。突然の朗報にもちろん万障を繰り合わせ、会場に向かった。誘った友人(ここの管理人YES!含む)の同席が叶わなかったのが残念だが、思えばホールクラスのライブに一人で行ったことは今までなかった。音楽をはじめ、感動は共有するものと思っていただけに人生初の試みだった。また本来クラシックの音楽ホールであるこの場に、今まで足を運ぶことはなかった。入って初めに目に付いたのはホールの意匠。建築用語ではこの形態のホールを「シューボックス型」という。(デザインではなくスタイルとして)古典的な空間に少しがっかりしたが、よく考えればパイプオルガンもあり、音の広がりは期待できるのかもしれない。しかし魅惑的だったのは、内装仕上。いかにも反響しそうな光沢質の人工大理石とその意匠が、何故あれだけの良音をなぜ描き出せるのか、不思議でならなかった。反響と吸音のバランスが空間・素材から読めない。何か仕掛けがあるのだろうと思う。会場には招待券で入った。会場受付でもらった所で判断する限り、報道席。周囲には、確かに関係者的風貌の人が多くいた。実名は伏せるが、正直逢いたくもない芸能人もいた。(真後ろの彼らの態度が不愉快で、本当に逢って失敗だった。)3階だから少し遠いが、武道館の2階と同じようなポジション。結構近くに感じられて個人的には好きだ。そして、パイプオルガンの優雅な響きと共に幕が開いた。(垂れ幕はなかったけど。) その響きにドラゴンクエストを思い出したりもしたが、このライブ、実は新創世記という彼らのデビューアルバムにして壮大なコンセプトアルバムの、2007年版リメイクだ。(実は帰路の電車でパンフを見るまで今回の意図を理解していなかったので、終始その意図がつかめなかったのだが。) とにかく冒頭からゴダイゴというバンドのイメージ或いはコンセプトがはっきり見える気がした。とにかく音楽のライブと言うイメージではないのだ。オリジナルメンバーに、和太鼓、琴、パントマイム…。実に形容が難しいスタイル。ロックオペラと言うべきか、生演奏の小劇を見ているというべきか。突然の語り部の登場にも驚かされた。
語り部がいるのも意外だが、登場したのは市原悦子。王女とその子供の物語を語る姿は、昔見た日本むかしばなし、そのものだ。語り部とパントマイムの舞踊を織り成すように、ゴダイゴの名演が続く。ロックであり、クラシックであり、ファンクであり、ジャズである。しかしその出生が判断できない。まるでSTAR WARSを見ているときの様な、近未来でありまたオリエンタルでありながら懐古的あるになってしまう。また音楽は主体ではない。小説の挿絵のように、音楽が落とし込まれる。それでも、その纏まり、広がり、緊張感は、さすが世界クラスだ。ドラムのTommyと和太鼓が織り成すリズムの洪水、ミッキー吉野の控えめでありながらも厳格なキーボード、タケカワユキヒデの天にまで届くような美声。こうして1時間半に及ぶ壮大な物語は幕を閉じ、おまけに数曲が演じられた。
冒頭にミッキー,Tommy,Steve+和太鼓で竹田の子守唄のセッション、アンコールとしてメンバー全員での威風堂々、そして名曲ガンダーラ。名曲はガンダーラ一本と言うのが潔い。999や猿魔法なんてどうでもいいのだ。すでに遠方へ追いやられ、洗脳され切った観客一同に、もはや文句をいう術は無し。本当にどこまでも遠くへ、シルクロードを旅した2時間強のライブだった。ありがとう、Tさん。現実世界に還るには、ちょっと時間がかかりそうです。
Off-Recordings....
今思えば、オペラグラスを忘れたのは正解だった。会場を見渡し全体の緊張感を味わうことができた。またタケカワ氏の美声は凄い。マイク泣くとも耳元まで届きそうなほど無垢な声は、正直容姿からは想像がつかない。横ノリの踊りも、まあ和製ミック・ジャガーという形容で許せる気がした。会場を後にし出口付近で見た花に驚いた。そこに掲げられた名は、松本零士。粋。開演前に買った本におまけでついていたドラムスティック。(正確にはおまけが目的と言うビックリマンチョコ的商法にのせられただけ?)これTommyの使用済なんだが、その傷の多さに改めて驚いた。あれだけパワフルに叩いていれば、簡単に消耗してしまうのだろうな。