Yesのライブ参戦レポート

感じた想いをそのままに参戦したライブをレポートしていきます。

ベランダ presents "夜明け生まれの人たち" live at 新代田FEVER

今年最も聴きこんだアルバムを作った大好きなバンドが東京遠征で彼ら主催のライブをするというので、会社の同僚と2人で下北沢に行ってきた。

 

・キイチビール&ザ・ホーリーティッツ

駒大のジャズ研出身のバンド。バンド名の由来であるホフディランからの影響が濃いと豪語するわりには(ホフの前身ユーヒビールからバンド名を拝借した)なかなか荒々しいディストーションサウンドで今のところ彼らの代表曲【パウエル】から幕があがった。音源の印象とはかなり違って、荒々しくギターを弾きまくるロック然なステージングがかなり意外だった。VoとBassのロン毛男子のむさ苦しさと、ハモれない女性Choの存在意義などいろいろ気になる点はあったが、2ヶ月前に彼女ができた事を突然カミングアウトした後、その時の嬉しい気持ちを形にした楽曲と、来年アナログで発売予定の新曲の最後の2曲はサニーデイサービスを彷彿とさせる良曲でとても良かった。

 

・2

The SALOVERS古舘伊知郎の息子祐太郎率いる4ピースバンド。登場SEにPixiesのDebaserを使っていたり、冒頭の数曲が明らかにNumber girlから影響が濃かったりと良い意味で気になる点は多々あったので、物販でアルバムを買って帰ろうかと考えていたのだが、中盤のMCで「こないだ歌入れの日が近づいてきているのに歌詞が全然書けなくてさー、生まれて初めてロイホで徹夜したよ。そしたら全く別の歌の歌詞が書き上がって」という正直「知らねーよ!」と突っ込みたくなる寒すぎる内容に身も心も引きまくり、それ以降もう何を聞いても全く同じ曲にしか聞こえなくなってしまった。一応メジャーを経験してるバンドを率いていたんだからもう少し気の利いたMCできないかねしかし。こう思ってしまったらいろんな事が気になりだしてきた。VoとBassは何故か裸にシャツ一枚だし、ギターはもろジョニーグリーンウッドだし、Drは女性だけどめちゃくちゃパワフルで重戦車の如くだったし、演奏も曲もまあまあ良かったのに寒すぎるMCで全てがダメになってしまった。あと最初SGを持っていたのに後半リッケンに交換していたが、この小屋クラス(200人ぐらいだった)のライブバンドではあまり見ない豪華なチェンジングに、古舘一族たる所以の十分すぎる財力を見せつけられたのもなんだか気になった。音源は良いのだろうけどね。勿体ないバンドだった。

 

・ベランダ

今年発売されたアルバムの中でAnywhere you likeは間違いなくもっとも聞き込んだアルバムだった。もはやベランダの大ファンである。何度も何度もリピートした音源をどのように目の前で演奏してくれるのか、一挙手一投足見逃さないようにステージ最前2列目に移動してその時を待つ。ゆるーく登場してきたと同時にまず今日出演してくれた2バンドにまず感謝を述べる。なんて紳士的なんだ。

そして静かに演奏を開始。スタジオ音源のようなローファイ感はあまり感じ取れなくて、かなりアグレッシブに静と動を使い分けるロックなスタンスのバンドなんだなというのがまず感じた印象。ただ京都のバンド然とした文学的な知的さや、良い意味での”いなたさ”がこのバンドの余裕を感じさせてくれる。意外だったのが、見た目オタクなGtがかなり激しいアクションでアバンギャルドサウンドを鳴らしている為か、他のメンバーもそれに釣られるようにエネルギーを少しずつ放出していき、結果的にかなり歪となって独特な彼らのグルーヴが生み出されていく過程が垣間見れるのがこのバンドの魅力なのかもしれない。元マイミーンズのBaの女史も程よいグルーヴを生み出しながら+癒しの歌声でメインボーカルを取る楽曲を挟む事で、バンドとして良いアクセントになっており、バリエーションを豊富さを感じさせてくれる。メンバー全員京都在住だそうだが、来年からメンバー全員東京に引っ越して、活動の場をTokyoに移すとの事なので、ライブを観れる機会がこれからもっともっと増えてくるだろう。もう楽しみで仕方ない。

Paul MacCARTNEY Japan tour 2018 live at Tokyo Dome

2015年に続いて2回目となるSir Paul MacCartneyのJapan Tourに参戦してきた。

 

今年発売された新譜のリード曲がいまいちだったので(【New】みたいなビートリッシュサウンドが好みなのでそういう類の楽曲が残念ながら無かった)、今回のツアーに参加する予定は正直全くなかった。

だったのだが、ビートルズ関連には目がない親友Mから「チケット代はいらないから是非来ないか」というもう夢みたいなお誘いがあったので、それでは遠慮なくという事で、東京ドームで開演18時からというサラリーマンには完全にアウトなタイミングだったけれども意地でも間に合わせるように仕事を切り上げ馳せ参じた次第である。

 

さあ3年ぶりのポールSirマッカートニー、いやあ全く衰えていないどころか前回から更に若返った感さえ漂わせている。Total36曲3時間近いライブの最中、当たり前のように水分を一滴も取らない/休憩もほとんどしない/ベースにギターにピアノにとにかくずっと演奏しっぱなしの超人ハルクみたいな驚異のパフォーマンスをOn年70overでこなすというプロ根性というかサービス精神というか、ここまで名声も地位もあるロック界のスーパースターの影ならぬ努力の賜物にもう土下座でひれ伏すしかないのです。。。

本日のセットリストは、未聴である新譜の楽曲ばからいを演奏する、というジュリーみたいな往年のファンを裏切るようなことは一切せずw、ビートルズウィングス・ソロで生み出してきた星の数ほどある名曲群の中から超が付くほどの有名どころを彼のキャリアの中でバランスよく満遍なく散りばめて観客全員が大満足するような素晴らしいライブパフォーマンスを私たちの前に披露してくださった。楽曲云々についてはもはやわざわざここで書く必要もないと思いますので敢えて詳細は記載しないが、今回は特にジョージに捧げた『Something』が妙にグッと来た事だけを記録しておく。

ちなみにライブ観戦後、最近発売されたばかりの『ホワイトアルバム』と『イマジン』のリマスター盤を至急購入したことを最後に追記しておこうと思う。やっぱりポールは今も昔も世界のスーパースターだった。生きているうちに2回も体現できて幸せ極まりない。最高!

印象派展 vol.2 -Rythm Prism at Shimokitazawa Shelter

大好きな女性2人組ユニット。その名も『印象派』。

普段は大阪でOLをやりながらの活動なので、関東地区でのライブの回数が非常に少なく、いつもそのタイミングを逃していたのだが、今回の新譜リリースをきっかけに東京でリリースライブを開催するというので下北沢シェルターに足を運んで来た。

対バンは、『Hinto』。元『スパルタ・ローカルズ』の安部兄弟がやっているバンドだ。最近はあまり情報を仕入れていなかったけれども調べてみたら去年12月にほとんどHintoと同じメンバー構成でスパルタ~もちょうど再結成したようなので、スパルタローカルズ兼Hintoといったところか。

その『スパルタ・ローカルズ』で思い出すのは、『フジファブリック』の故志村氏が推薦していた【ギャラクシー空港】という曲が大好きだったことと、天才で狂人で有名な伝説の漫画家:安部慎一氏の息子達というのが真っ先に頭に浮かぶ。スパルタ~解散後にHintoを結成してすぐにHPでフリーダウンロードで新曲を提供していた時に耳にした程度で、それ以降彼らの音楽に接する機会がなかった。あれから8年経ってしまっているが、現在の安部兄弟はどうなっているのか、期待と不安を抱きながら彼らが登場するのを待った。

 

・Hinto

正直一曲も知らないので非常にフラットな状態で受け取れたのだが、家庭的に紆余曲折しながらこれまでメジャーで何枚もアルバムをリリースしてきた、ある意味で確固たる地位を確立したバンドの経験値の高さをまざまざ見せつけられる形となった。個性的なボーカル、奇天烈なフレーズを量産しまくるアバンギャルドなギター、バンドメンバーからの信頼を感じさせるベースの安定感、ロックポップ時にはメタルまで臨機応変に叩き分けるテクニカルなドラムス、そして気の利いたウィットに富んだ発言がとても楽しいMCと、バンド全体としての一体感のあるステージング全てにおいて、彼らにはこの小箱が狭すぎるように感じて仕方がなかった。スパルタ・ローカルズよりもこっちの方が自分の趣向に合っている気がする。ローカルズ合わせて音源をあらためてしっかり聴いてみたくなった。ほんといいバンドだなあ。家に帰ったら父上の代表作『美代子阿佐ヶ谷気分』も読み返そうかしら。

そういえば、彼らの演奏が始まってすぐの頃に『印象派』の2人が彼らの演奏を観に観客エリアにこっそり覗きに来ていたっけな。何人が本人達に気づいたのかは分からないけれど。。。

 

印象派

デビュー作からリリースする度に一貫して最高傑作をアップデートし続けている、リリースする音源のクオリティにおいていま最も安定感を持っているOL2名によるロックユニット。ライブ編成については、荒いヨウツベ映像の情報しか知り得ていなかったので、彼女らがそれぞれどの楽器を担ってどういうパフォーマンスを魅せてくれるのか非常に楽しみに今日の日を今か今かと待ちわびていた。もう待ちわび過ぎてひょっとしたら彼女達のポテンシャル以上にまで自分の中の期待値のハードルが勝手に上がってしまっていたのかもしれない。純粋にライブを目撃したFirst impressionはまさにこれ

 

場慣れしてないなあ

バンドとして未完成だなあ

完全に練習不足だなあ

観客の煽り方がちゃらくてノリが軽いなあ

 

考えてみたら普段OLをしながら仕事の合間に副業的にこのユニット活動をしている訳で、『Hinto』の彼らのように幼少期から紆余曲折があった上で最終的にバンドで生活していくと決めた相当な覚悟をメンバー全員が持ちつつ、メジャーの舞台でこれまで様々な経験を積み上げてきた百戦錬磨のロックバンドと正にインタイムで比較されてしまう状況が彼女達にとって非常に不運だったのかもしれない。それにしてもライブを演奏するバンドとしてのクオリティには疑問符???が湧きすぎて、段々苛立ちを感じてしまうほど。

ネガティヴキャンペーンばかりになってしまうが、良かったのは印象派の片割れのギターが意外にしっかり弾けていたくらいで、バックバンドのクオリティも今三だし、美女ユニットだと勝手に思い込んでいたのがいけなかったのだが、当人のルックスも至って普通で、それらの状況が重なり自己の中で増してくる苛立ちに耐えられなくなった結果、お目当てのバンドのライブなのにたった3曲を聞いただけで退散するという生まれて初めて残念な暴挙に出ることとなった。久々に酷いライブを目の当たりにした。

ただ、本日ライブ参戦した真の目的は、ライブ会場限定発売のレア音源群を購入することであり、対バンのHintoの演奏が頗る良かったので、それはそれで良かったと思う。

ライブはイマイチだったけれど, リリースされたばかりの新譜はもう最強に最高な傑作に仕上がっていたので、音源アーチストとしてのこれからもファン活動を継続していくことに変わりはない。それにしてもこんなハイクオリティな音楽を作れる才能があるのに、音楽を主業にできない今の音楽業界は非常に残念だと思う。

SYMPHONIC NIGHT vol.2 ナポリ幻想 at Tsutaya on East

学生時代、プログレに対してどうも苦手意識が強かった。プログレ好きの親友が時折薦めてくる音源も当時の自分には到底受け付けられなかった、ある2曲を聴くまでは。。。

 

新月の『鬼』

チェルベッロの『メロス』

 

このプログレ史上に残る裏大名曲に出会ってからというもの、自己内の音楽的世界観が180度変わった。それまでの狭い先入観が見事にとっぱらわれて、それ以降ジャンルにこだわる事無く幅広い様々なジャンルの音楽を求めるようになった。

そんな自分の価値観を大きく変えてくれた新月とチェルベッロとは何か?それは70年代に裏プログレ史に残る大傑作アルバムを1枚ずつを発表して人知れず解散してしまった伝説のバンドである。

彼らの音源に出会ってから15年以上経過した今、唐突に想定外のビッグニュースが飛び込んできた!

 

"幻のバンド【チェルベッロ】の初来日公演"

 

え?初来日って?バンドはとうの昔に解散しているけど復活するの?

どうやら初来日公演のために一次的に再結成をするという。そんな付け焼き刃なバンドで大丈夫なのか?とこちらの心配を他所に畳みかけるような追加情報が。

対バンはあの『新月』。

最近再結成を果たして現在も精力的に活動しているのでもしやとは思っていたが、正に幻+幻=奇跡!!!

こんな夢のような出来事が実際に起こるのか、いや起きてしまうのかーっ!もちろん伝説のバンドを教えてくれた親友Nと学生時代に抱いていた淡い想いを馳せて幻影達に自ら会いに行くことにした。

 

会場はTsutaya on air east。以前は渋谷 on air eastという名前であったが、思い起こせば20年前、そのプログレマニアに洗脳されてどハマりしていたSwedenのクリムゾンこと【Anekdoten】の初来日公演を、親友Nと目撃したのもこの場所だった。人生で初めてのライブハウス体験が北欧のゴリゴリでドロドロのディープなプログレバンドだったのだから、今思えば高校生にとってかなりハイレベル過ぎるライブ初体験だったのかもしれない。というわけで20年振りのon air eastである。

どんな客層なのか?ちゃんとチケットは売れているのか?など不安と期待を胸に会場に到着。チケット番号順に入場制限中なほど人が集まっている。意外に多い。あれ?確かにおっさん連中は多いけど若い人達もちらほらいる。前にいるのは10代のゴスロリ系に見える。予想外の客層に呆気にとられていると、隣の若者がこう話していた。

「入場したらダッシュで前方に行こう」

あれ???本公演は全席指定でシッティングのはずなんだが、なんかおかしいな。と周囲を確認したら我々が並んでいたのはOn air EastではなくTsutaya on air Westだった!Eastは更に奥じゃないか!あぶないあぶない。。。急いでOn air Eastに移動したが、会場前に待機している人など誰1人としていない。すんなり中に入るとパイプ椅子な敷き詰められており、既に半数以上が着席していた。今日の公演はオールシッティングライブ。年齢的に最近スタンディングライブが辛くてしかなかったので、弱ってるアラフォーにとってこのようなシッティングライブはほんとうに有難い。

 

新月

新月ではなく正しくは新月プロジェクトである。プロジェクトと名を冠している理由は、オリジナルの新月とボーカルメンバーが違うからである。オリジナル新月のボーカリストの北山氏はいろいろといざこざがあったというのと現在登山家になってしまったのでバンド活動は不可となり、代わってゲストボーカルとして招かれたのは、ザバダックやソロアーチストとして一時代を築いた、あの上野洋子女史だ。テレビやライブ映像などでしか動くお姿をちゃんと視認した事がなく、勝手にミステリアスなミロのビーナス的イメージを抱いていたのがいけなかったのだが(当時の映像を見るに本当に美女)、今は完全におばさんになっているではないか。。。ジャップスプログレ界隈とこれまで密接な関係を築いてきた、いわば戦友的な存在だからでの抜擢なんだろうけど、オリジナルの北山氏の声質と似ても似つかないほどに声のベクトルが違い過ぎて違和感が否めない。そしてメンバー全員着席スタイルでの演奏。リーダー兼keyの花本彰氏, Gt津田氏のオリジナルメンバーの両巨頭を筆頭に、ベースアコギドラムパーカッションピアノの7人編成の、バンドとしては大所帯な構成による隙のないスタジオ音源の再現に重きを置いたような確実で実に質の高い演奏を繰り広げていたのはプロフェッショナルの一言。前半は新月プロジェクトの名で再結成してから発表した新曲を中心に、後半はあの名曲【鬼】(新月は正直この曲だけを聞きにきた)を含む初期音源から。前半はフュージョンライクな自分の苦手な分野の初聴の楽曲が続いたこともあり、とても退屈な時間が続いたが、中盤あたりでようやく【鬼】の演奏。これまでもう何百回と聞いてきたこの幻の名曲を、オリジナルフルメンバーではないけれども花本/津田氏などの主力メンバーがいる生新月を目の前で目撃する日が来るとは夢にも思わなかった。スタジオ音源よりもテンポを落としたリアレンジな【鬼】、津田氏のあのまんまのギターソロや花本氏のテクニカルな和音階の独特のフレーズなど新月ワールドがこの1曲に全て凝縮されていることをあらためて実感。ただやっぱり上野嬢の声質は違うんだよなあ、そうじゃないんだよなあ、という違和感が最後の最後まで拭い去ることが出来なかったのがとても残念だった。

 

・チェルベッロ

超絶ギタリスト、コッラード・ルスティーチ率いる夢にまで見たインタリアンプログレシブロックの幻影が目の前にいる。それだけで幻想、というか白昼夢をみているような感覚で終始ふわふわしていて正直言って記憶があまりないのだが頑張って記憶を辿り寄せながら記載しようと思う。まず全員がオリジナルメンバーではない事は事前に告知されていた。特にボーカル。上記新月状態だったらどうしようかと思っていたが、声質が似たクオリティの高い20代の若手ボーカリストだったが、彼はユーロプログレをなんたるかを理解している事が歌声からひしひし伝わってくるように違和感なくチェルベッロとして溶け込んでいたのが安心できる要素だった。アルバム1枚だけで解散したバンドだから、ミュージシャンとしての腕は大丈夫なのかと勝手に心配していたが、前記のコッラードはその後もずっとプログレ/ジャズ界隈で一線級のギタリストとしてずーっと活躍し続けているようで(現在進行中、バリバリの現役)、2年前のOSANNAの来日公演時にメンバー(Gt)として日本に来たとMC(English)で話していた(わざわざ説明不要だと思うがOsannaのリーダー:ダニーロ・ルスティーチは彼の兄)。まあとにかく演奏力が半端ない。そしてとにかくコッラードのギターが超絶に巧い。大名曲【メロス】も目の前で生演奏を体現できこの目にしっかり焼き付けることが出来たので、文字通り感無量な一生の記憶に残る一日であった。

ハルカトミユキ アルバム レコ発 3days 3rd day 06.30 live at SHIBUYA CLUB QUATTRO

ハルカトミユキの新譜リリースレコ発3daysの最終日に参戦。


大好きなUK/USロックに共鳴していて独自の世界観をしっかりと確立しているロックユニット、はたまた、単純にもの凄くタイプの美人がフロントマンをしているロックユニット、このどちらにも当てはまる日本のバンドと言えば、ハルカトミユキかきのこ帝国ぐらいしか思い浮かばないのだが、その両バンドが出演するライブとなったら平日だろうが何だろうが足を運ばない理由がない。元同期Nを誘い、苦手な街渋谷の、ブックオフ上階にある、ライブハウスに向かう。
入場前に用をたしたくなったので下階のブックオフに向かうもRest roomはNothing。近くのLawsonに入るもNothing。更に近くのスポーツショップに駆け込んでみてもNothing。おいおいトイレのひとつやふたつも簡単に見つからないなんてなんて街なんだい!!!と、怒りと我慢の両方の感情を抱えながらiPhoneで【渋谷クラブクアトロ トイレ】と検索してみたら、入場したクアトロの会場内にあるではないかー!急いで入場エリアに向かうと、ちょうど自分の整理券番号の呼び込みが過ぎていたタイミングだったので速攻INして用をたす。もう少しでお漏らしするところだった@アラフォー世代。
どうでもいい話は置いておいて、ハルカトミユキを目撃するのは数年前のGrapevineとのジョイントライブ以来になる。あの時は6曲程度の演奏で、まだ知名度もそれほどなく前座的な扱いだったので、彼女達目当ての観客がどれだけいたのか把握できず、一体どういうファン層がいるのかが全く読めなかったのだが、意外や意外、自分と同世代、もしくは年配の方がかなり多く、それは共鳴しているSOUNDが90s UK/USロック好きの自分世代の音楽愛好家にちゃんと響いている証拠だろう。嬉しい。今回は彼女達の発売されたばかり新譜【溜息の断面図】のレコ発ライブという事で17日から3daysライブを敢行中で、彼女達に所縁のあるバンドをゲストにツーマンライブを毎日開催しており、最終日の本日の対バンが盟友きのこ帝国である。きのこ帝国、大好きですよ。一度は目撃したかったので、今日はもはや自分の為のツーマンライブなのではないかと錯覚するほどの贅沢なライブであった。

 

・きのこ帝国
登場前のSEにシューゲイザーを数曲流しながら登場。ファーストインプレッションは、「意外にリズム隊が骨太なんだなあ」。本人達はそう言われることを嫌がってはいるが、鳴らしてる音は列記としたシューゲイザー以外の何物でもない。というかそれでいいじゃない。大好きなサウンド。千亜紀嬢の伸びやかなVo/Gtと奇天烈なあーちゃんのGtとが心地よいディストーションの渦を作り出している。代表曲【海と花束】【東京】もしっかりと演ってくれて大満足。そして何より千亜紀嬢が超美人。ホリプロスカウトキャラバンのグランプリを受賞する程の美貌を持った女性が泥臭いシューゲイズを奏でながら美声で歌っているというだけでもうドストライク。その時点でまず数多のロックバンドを軽く超えている訳で、その彼女を核にしながら学生時代から長年積み上げてきた確固たるバンドサウンドが鳴らされているのだからもう他に何も要らない訳です。メジャーに上がってから【東京】以外に名曲が出せていないのが残念だが、その【東京】ライクな分かりやすい名曲をもっともっと量産出来れば、より表舞台に出てこれるポテンシャルを持っているのに、未だにインディー然としすぎてるのが個人的には勿体無い。

 

・ハルカトミユキ
SEにUKロックを畳み掛けてから登場。個人的に嬉しいのが、数年前からプロデュースを担い、ライブでもギタリストとしてサウンドの屋台骨を支えている、大好きだった今は亡き二千花のキーマン:野村陽一郎氏がバックバンドのメンバーにいること。彼の作り出すオルタナティブロックサウンドが大好きなので、トンがったハルカトミユキの世界観をうまく調理してくれていることは、彼が関わった最近の彼女達の名作群で既に立証されているので、それがステージ上でどう表現されているのかを見所聴き所にしながらライブ開始。前回のライブからの成長としてまず感じたのは、ハルカの歌唱力が格段に進歩している事。DVDの映像や2015年時のライブではまだまだ不安定な状態が多々見られたのだが、特徴的な高音ボイスに安定感と力強さが加わり、ボーカリストとして完全に一皮も二皮も剥けている。またミユキとのコーラスワークも息がぴったりになっているし、野村氏をはじめとしてアルバム制作時から連れ添っているバックバンドのメンバーによって彼女達が鳴らしたい理想の音をしっかり再現出来ていることは、ハルカトミユキの演奏時の自信に満ち溢れた満足気な表情から見て取れるほど完全度の高いロックサウンドを鳴らしていた。前回のライブでは代表曲をほとんど演らずじまいでだったが、今日のセットリストもレコ発ライブなので、新譜の楽曲を中心に組まれているのは仕方のない事とは分かっていながら、【バニラ】や【マネキン】、【肯定する】【Drag&Hug】【バッドエンドの続きを】などの特に大大大好きな楽曲をことごとく演ってくれなかったのがただただ残念。これはもうワンマンに参戦しなければ自分の欲求は絶対に満たされないという事なんだろうか。

ああ日比谷野音どうしようかなあ。。。

Salyu with Takeshi Kobayashi Premium Symphonic Concert at Muza Kawasaki Symphonic Hall

 Salyu with 小林武史東京フィルハーモニー交響楽団のホールコンサート at 川崎ミューザ。

川崎は以前の職場が会ったので約8年間通い続けたけれど、ずっと気になっていたこのコンサートホールにこれまで訪れる機会がなかった。今回大好きなSalyu嬢が単なるバンド形式ではなく、オーケストラ+小林武史を引き連れて生音のコンサートを行うとの事なので、Salyu好きでたまたま職場が川崎勤務の友人Oと参戦。

座席に着いてまず感じた事が、近い!とにかくステージと客席の距離感が近すぎる!自分が座ったポジションにまず興奮する。音響設計がしっかり施されている空間もとても心地よい期待感しか湧かない中で開演時間となった。

 

Salyu with 小林武史

編成は、歌SalyuとPiano小林氏、それに東京フィルハーモニーのフルオーケストラ編成で、とにかく上品に、ギミック等は一切無く、彼女の超絶美声と小林氏の優しい鍵盤の調べにストリングスが贅沢に周囲を包み込む、ネイチャーマルチソースコンサート。とにかく絶品だった。鳥肌が立ちまくりだった。ここ数年間で観たライブでは一番記憶に残ったライブだったのかもしれない。いつものライブは、基本的に電子機器/機材を通過した、2chPAシステムで聴いているのが普通だが、こういうNature Malti Source Soundを久々に体感して、定期的に本当の意味での良い音質/音色で音楽をちゃんと聴く機会を設けないと、耳が養われないのではないかとつくづく思った。自分の仕事はプロオーディオ機器の開発、音作りを生業にしているので、尚更である。仕事以外でも普段から慣れておかないと何が良い音なのか分からなくなるからね。クラシックも年一で身体に通しておく必要があるとあらためて実感させられた、価値観が変えられた素敵なコンサートライブでした。

JFL presents FOR THE NEXT at Zepp TOKYO

関係者席でのライブチケットが運良く手に入ったのでZepp Tokyoまで参戦してきた。メインアクトは最近20年振りに再結成したばかりのYentown Band。このバンドが懐かしく思えて、音楽が好きで、という非常に限られた条件に当てはまる同世代の気の合う同僚3人で参戦したのが良かったのかもしれない。

 

・Flower in the vasement
オープニングアクト。なんの印象にも残らないバンドだったなあ。

 

・amazarashi

素顔をはっきりと見せないベールに包まれた世界観で一部で熱狂的なファンを持つ青森からきたロックバンド。この日のライブもステージ全面に降ろされたうっすらと透けるレースをスクリーンにして、映像を写し出しながら演奏するのが彼らのスタイルのようなのだが、この映像がとにかくつまらない。中国語の漢詩風(あくまで漢詩風なのが残念。)にアレンジした歌詞を演奏とシンクロさせるだけで、目新しさは特にないし、基本それだけの繰り返しなのでワンパターン感が半端なくサプライズもないし驚きもない、そう、とにかくただただつまらないのだ。肝心の楽曲も延々と通り一辺倒に歌われるさだまさしバンプオブチキンをバックに歌っているような説教くささもなんだか嫌味に感じるし、とにかく楽曲の振り幅が乏しくてどれもこれも同じ曲に聞こえて仕方がない。この手のバンドにしては演奏力がある方なのに、そのよく分からないスクリーン演出のために演奏している姿様子がよく見えない。ミステリアスを醸し出したいのかもしれないが、途中からスクリーン演出をやめる展開にしたりとか、あくまで映像を見せながらのスタイルに拘りたいのなら、もっとセンスのある映像に仕上げないとそれ以上のマスにはまったく響かないと思う。ひと言で言って至極つまらないパフォーマンスだった。

 

Lily Chou-Chou
Salyuが世に出るキッカケとなった同名映画内で作られた架空のバンド。後に搭乗するYen Town Bandの再結成に釣られての登場か。バンドメンバーに、タケシコバヤシと名越ユキオ氏/アラキユウコ夫妻を従えてのSalyu Bandと基本同じ面子。ソロと比較してよりダークでディープなサウンドが、彼女達の楽曲を知らない観客には少し難解で退屈だったのかもしれないが、かなり貴重なライブであった訳で良く悪くも観客を魅了していた。

 

YEN TOWN BAND

あのミリオンセラーを記録した[Swallowtail Butterfly]から20年振りのまさかまさかの再結成。そりゃあ自分も歳を取るわけだな。懐かしいの当時の楽曲だけでなく、20年振りの新曲も数曲披露。Lily~もそうだがタケシコバヤシ氏の楽曲/アレンジは今聴いても全く古くささを感じさせない、20年前の楽曲も新曲も同じ時代の空気を感じられるサウンドメイキングは流石の一言。これをエバーグリーンポップというのだろう。またチャラの巧みなMCも熟練のなせる技を感じさせてもらった。

 

総論として、何より2バンドを掛け持ちしたギター名越由貴夫氏のファンとしては最高のイベントだった。